医薬品における「偶発症」とは?基礎知識を解説

治験の初心者
「偶発症」について詳しく教えてください。

治験の案内人
医薬品投与に伴って発生する、投与した医薬品との因果関係がない有害な事象を指します。

治験の初心者
つまり、投薬によるものではないということですか?

治験の案内人
その通りです。治験においては、参加者の安全性や医薬品の有効性を評価するために、偶発症も記録します。
偶発症とは。
治験で使われる用語「偶発症」とは、投与した薬の副作用ではなく、薬とは関係なく起こる有害な出来事です。
医薬品における「偶発症」とは何か

医薬品において、「偶発症」とは、薬効とは無関係に、服用することによって起こりうるあらゆる望ましくない反応を指します。副作用と混同されがちですが、副作用は薬効に関連した望ましくない作用であり、偶発症は薬効とは無関係な反応です。したがって、偶発症には、薬物アレルギーや過敏症だけでなく、薬品の成分に対する不耐性や相互作用による影響なども含まれます。
偶発症と副作用の違い

-偶発症と副作用の違い-
医薬品には、偶発症と副作用という2つの関連する用語があります。これらは、ともに薬物の使用に関連した望ましくない影響ですが、重要な違いがあります。
副作用とは、薬物の通常の治療用量を使用したときに発生する、予測可能な有害反応です。つまり、薬物を使用するときに予想される影響の一部です。副作用は一般的に軽度で一時的なもので、薬物を中止すれば消失します。
一方、偶発症とは、薬物の予期せぬ、まれな有害反応です。薬物の投与後、通常は14日以内に発生します。偶発症は副作用よりも深刻になる可能性があり、入院、永続的な障害、さらには死亡を引き起こすこともあります。
偶発症の重篤度分類

-偶発症の重篤度分類-
偶発症には、その重篤度に応じてグレード分けされています。重篤度は、症状の性質と患者への影響度を考慮して決定されます。
* グレード1(軽度)日常生活にほとんど影響を与えない軽微な症状
* グレード2(中等度)日常生活にいくらか影響が出るが、患者が通常の活動を続けることができる症状
* グレード3(重篤)日常生活が困難になる、入院または長期間の治療が必要な症状
* グレード4(重篤または生命を脅かす)命に関わる、または臓器不全などの重大な症状
* グレード5(死亡)偶発症が患者の死亡につながる場合
偶発症の報告手順

偶発症の報告手順
偶発症が発生した場合は、迅速かつ正確に報告することが不可欠です。医薬品製造販売業者は、厚生労働省が指定した窓口に24時間以内に報告する義務があります。また、医療機関でも、偶発症が発生したら直ちに医薬品製造販売業者に報告する必要があります。さらに、重大な偶発症が発生した場合は、医療機関は厚生労働省にも報告しなければなりません。
報告には、患者の情報、薬剤情報、症状の詳細などが含まれます。正確な報告を行うことで、医薬品当局は偶発症のリスクを評価し、適切な措置を講じることができます。
治験における偶発症の対応

治験においては、偶発症が確認された場合の対応が定められています。治験対象者が偶発症を発症した場合は、治験責任医師が直ちに治験審査委員会(IRB)に報告しなければなりません。IRBは、偶発症の重篤度、原因、関連性などを評価し、治験の続行、中止、変更などの判断を行います。
また、治験責任医師は、偶発症に関する情報を治験参加者、その家族、 治験実施施設に提供する必要があります。治験参加者は、自身の状態や治療選択肢について十分に理解し、意思決定できるように情報を得ることができます。
